5kappafamily’s blog

知人と一緒に童話を作成しています。これから挿絵を入れて絵本にしたいと思います。

プロローグ

忘れられた小さな国の入り口

 

奥深い山の中、水の守り神とも云われていた

かっぱたちの国は、転々と失われ

川や湖や沼のある山奥へと移り住んでいました。

雨水をたくさん蓄えられる巨大な水瓶”ブナの木”がある山へと。

そのなかに”おやじ”といわれる樹齢800年と

その寿命も尽きるほどの木があります。

その近くからはたえず少なくとも1本のほそい煙が立ち上がっています。
そこが、かれらの国の入り口です。

山奥の一本の煙を頼りに一通の手紙が・・・。

 

静かに、清らかに、ゆっくりと落ち着いてのんびりとした、

そんな生活の場所を求めてかっぱの国のみんなは、力を合わせて頑張っていましたが、

今では昔のようなみんなで楽しく暮らせるような場はありません。

又、どこか山奥に移り住もうと考えていた矢先に手紙が届きました。

それは、南アルプス山脈近くにある村からのものでした。

「ここはいまだ手つかずの自然がそのままの状態で残っており、

ブナの森や動物や魚や昆虫など仲良く暮らしている土地があります。

もし、新しい生活の場を探していらっしゃるのなら是非、

一度わが村のこの場所へお越し下さい。

もしよろしかったらずーと暮らしても結構です。 村長」

 

やっとおちつける場所と思ったのもつかのま

 

かっぱの国のみんなで検討しそこへ移動する事にしました。

これでやっと、長く住み暮らせるのではと思いましたが

やはりここも開発の手が伸びてきました。

ゴルフ場の開発計画です。人間が住む村の近くでは住宅の建設、

高速道路などの計画があったり、

見た目や開発のために森の木々が切り倒され沼が埋め立てられ、

田んぼがつぶされ、小川が無くなるそうです。

又、憩いの場である湖や沼や川にまでも、

今までに見たこともない魚や動物達と出くわす事が多くなりました。

”ルアー”と言う魚そっくりなものが捨てられ、

怪我をしたり、トラブルも多くなりましたが、

なんとか上手に暮らしています。
昔は、人間のみんなとも仲良く暮らしていたのに・・・・・・・。

守るべき自然の危機、川や湖の生態系の変化

 

ここにもそう永く住んでいられそうにありません。

永い事このような放浪に近い生活をしていると、

その存在自体みんなから忘れられてしまうかもしれません。
それでもかっぱの国のみんなは、いろいろな所へ渡り歩いて行くつもりです。
もし、開発計画がなく自然がいっぱいある場所があれば、

日本全国どこへでも行くつもりです。

子孫のためにも永く暮らせそうな場所を提供して下さい。

そうしたら、その場所その場所での物語があるでしょう。

 

これは、南アルプス山脈近くにあるゲンゴロウ川のほとりでのお話。