5kappafamily’s blog

知人と一緒に童話を作成しています。これから挿絵を入れて絵本にしたいと思います。

サイドストーリー:第13作:5がっぱの日記帳


1.変な癖 編

 

やすがっぱとまゆがっぱのお山ご飯・・・

二人はお山に行く前に、食料を調達しにスーパーへ立ち寄る。

自分たちの食べたい物を次から次へと買い物カゴに入れていくんだけど、

その量といったら、尋常じぁない・・・

そんなに食べられるはずないと思うほど、カゴに放り込む。

お山で食べるご飯は、何だって最高のごちそうになるから、

そんな大量のお肉やたこ焼きややきそばやサラダも、

帰る頃にはほとんどがなくなってしまうんだけどね・・・

 

ぼくら5がっぱは、というと、まゆがっぱから手渡される500円玉で、

まだ食べたことがない物を見つけては舌鼓を打つんだけど・・・

やすがっぱとまゆがっぱが今日は何を買うのだろうと気になって、

物陰に隠れて、二人の様子を追ってたりする。

やすがっぱは、まゆがっぱが喜ぶことが嬉しいから、量なんて考えず、

あれもこれもカゴに放り込んでいく・・・、

まゆがっぱに「そんなに食べられないよっ・・」って、

ブイブイ言われながらね・・・笑っちゃうでしょ・・

 

買い物中もお山にたどり着くまでの道のりでも、

まゆがっぱはやすがっぱに自分が見たり聞いたりして

嬉しかったこと・怒ったこと・悲しかったことを

とにかくしゃべりまくる・・・この勢いはすごいんだ・・・

僕ら5がっぱだって、聞いてるふりして流してることがしょっちゅうなんだ、

ホントはね・・・(まゆがっぱ、怒るだろうなぁ)

そして、やすがっぱも一生懸命聞いてあげてるけど・・・

よく「聞いてないでしょ」って怒られてる。

(やすがっぱも大変だね・・って僕ら5がっぱも、うなづいてる・・・)

だけど、そんな二人のやり取りで、道中もなかなか楽しい時間になるんだ。

 

このおしゃべりタイムで、笑っちゃうことがあるんだ・・・

まゆがっぱには、感情を表す言葉に癖がある。

当の本人はその癖に全く気がついていない。

なんかまゆがっぱって、しっかりしてそうなのに、

そういうとこが超ドン臭いんだ・・・

(僕らはそんなドン臭まゆがっぱも押しなんだけどね。)

 

そうそう、そのまゆがっぱの癖なんだけど、

何かに驚いたりした時に、「ハァッ!」って息を吐くんじぁなくて、

思い切り吸うんだよねぇ・・

これが独特でさっ、見てると面白いんだ。

僕ら5がっぱがそう思うんだから、

いつも弾丸のように話を聞かされているやすがっぱも、もちろん気がついてる。

 

この間、やすがっぱが、このまゆがっぱの「はぁ~っ」を真似して、

まゆがっぱ話に返しをしたら、ほんと笑っちゃうんだ。

「何をそんな大げさにっ・・・」って、

まゆがっぱは呆れたようにやすがっぱに返していた・・・

その時のやすがっぱの顔ったら・・・可笑しくて、可笑しくて・・・

まゆがっぱはその「はぁ~っ」が自分の真似なんて、

全然わかってないから、僕ら5がっぱは腹を抱えて笑った。

 

こりゃ駄目だわと思ったらしく、やすがっぱは

「大げさって言うけど、まゆがっぱがいつもやっているやつだよっ」って、

まゆがっパに告白した。

それこそ「はぁ~っ」って息吸いながら、

ようやく事の成行きが見えたようで、くの字になって、

お腹を抱えて笑い転げていたまゆがっぱだったなぁ・・・(楽しすぎるでしょ!)

 

もうひとつ、まゆがっぱの癖。

痛い思いをしたとき、皆「痛い!」とか「いたっっ」とかって口に出すけど、

まゆがっぱは「イッ!」で止めるんだよね。

僕ら5がっぱは、こんな風に思うんだ・・・

まゆがっぱは痛いことは、自分の中の負の部分だから、

外に出したくない・・でも痛い・・・だから「イッ!」で止めてる。

あと、周りが気にかけないように「イッ!」で止めてる。

やすがっぱはどう思う?

 

2.やすがっぱのご飯休憩 編

 

最近のやすがっぱとまゆがっぱのお山でのひとときは、

もっぱら、食べているか、お昼寝しているかがほとんどを占めている。

ぼくら5がっぱはといえば、山や森をごそごそ探索して、

鹿さんやうさぴょんや夏にめっぽう弱いアナグマ君(日差しの強い暑い日には、

日射病でフラフラになってるんだもん)

たちとおいかけっこなんかして動き回って、疲れると、

水辺を見つけて空をながめてプカプカ浮いてるのがお気に入りなんだ。

僕ら5がっぱが、やすがっぱとまゆがっぱと出会った頃の二人も

今となっては信じがたいほど、アクティブなお山での

過ごし方をしてたけどねぇ・・・やっぱ年をとったのかなぁ・・・

 

お山でのご飯タイム。いろいろな物が目の前に並ぶと、

景色なんてそっちのけでどこのはいるのか・・・

不思議なくらいにやすがっぱとまゆがっぱのお腹の中に消えていく・・・

二人には食べ方に違いがあると、僕ら5がっぱは思う。

まゆがっぱはとにかく、片っぱしからお腹がパンパンになるまで

一気に食べて、苦しいと言いながらお昼寝。

 

やすがっぱは、ある程度食べたい物を食べると、

食欲より眠気が勝ってきて、お昼寝に突入。でも、これは、

やすがっぱにとってはご飯の小休止らしい・・・。

小休止の後、再び食べ始める。

その時の欲求に身をまかせるのが、やすがっぱ流らしい・・よ。

(子供のころ、お行儀が悪いとおこられていたらしいけど、

それが心地よくって、やめられないんだって)

 

ある時、せっかくのお山ごはんなのに、朝マックを食べ過ぎて、

お腹があまり減らなかったらしく、やすがっぱもまゆがっぱも

軽く食べて、お昼寝を先行していた。

お昼寝から先に目覚めたまゆがっぱが何かもそもそと

不穏な動きをはじめた。

お腹がすいたらしい・・・

多分、まゆがっぱのことだから、気持ちよく寝ている

やすがっぱを起こさぬよう気をつけながら、なるべく音をたてないよう・・・

そして、おいしくお肉が焼きあがったら、

起こそうとしていたんだとは思うんだけどね。

 

シングルバーナーを組み立てて、火をつけるのが苦手なくせに、

結構がんばって、お肉を焼き始めたまゆがっぱだったけど、

お肉の焼ける良い匂いとジュッーという音で、とうとう

やすがっぱも目をさましてしまったんだ。

やすがっぱに、そっと背中を向けて、隠すようにして、

まずは味見で一足先にお肉を食べようとしたその時を

見つかってしまった。それを見つけたやすがっぱは

まゆがっぱが可笑しくて、可愛くって大笑いだったよねぇ・・

なんて楽しい二人なんだろう・・・

 

3.林道工事中の「2411」 編

 

やすがっぱとまゆがっぱは、久しぶりに二人の合言葉「2411」を探検しに行った。

二人の合言葉「2411」は、秋山を越えて、富士山に向かって

進む途中にある工事中の山道である。

リニアモーターカーの試験場があるその向かいに連なる山々。

その「2411」は、道志につながるのかなぁ・・・

林道工事が進められている。やすがっぱはその林道がどこまで、

進んだのかいつも興味津津で、二人は、確かめようと、

何度かこれまで「2411」に足を運んでいる。

一日中、頑張って歩いて行ったこともあるし、

こっそり車で忍び込んで行ったこともあるんだけど、

行くたびに、いろんな動物たちと出会うことも多くて、

それが2人の大きな楽しみになっているみたいなんだ。

 

車で行った時には、まだ大人になりきっていないイノ君に出会った。

驚いて逃げようとするイノ君が山の斜面を登ろうとするけど、

ずり落ちゃったり、今度は反対斜面を下ろうとしたけど、

傾斜が急で怖くて下れなくて、バタバタしていたその動作がドン臭いけど、

可愛くて・・さ。

二人のイノシシに対する印象が猪突猛進から

ドン臭可愛いにかわった瞬間だったし、

最近ではほとんど出会うことが

できなくなったうさぴょんも元気に走り回ってた。

歩いて登った時には、夏の時期で、

暑さが苦手なアナグマさんに出会ったっけ・・・

日射病でフラフラしながら道を歩いてたアナグマさん、

やすがっぱが後ろを歩いているのに、全然気がつかないことがあったよなぁ・・

ヌケ作なとこが愛嬌あって笑っちゃったんだ。

 

往きの道すがらに置いた(唐揚げだったかなぁ?)

その揚げ物の切れ端が、帰り道にはなくなっていて、

誰かが食べにきたらしいと、二人はワクワクして楽しんでたりもしてたよねぇ。

だけど、帰り道、日が暮れて暗くなってしまった時、

山の斜面でガサガサと動物が動く気配がしたんだ。

見えない斜面の上から追ってくるような木々が揺れる物音と

低い「うぅー」という唸り声がしたとき・・・

まゆがっぱの普段の強がりはいっぺんに吹き飛んで、

ただただ黙って、そそくさと首をすくめて歩きだした。

怖かったくせに、後になって、あの唸り声は「絶対、熊さん」

「熊さんに会ってみたい・・」って言い続けてる。

遭遇したら、ビビるくせに・・・ね

 

そして、今回は自転車で「2411」の林道が、

どこまで完成したのか確かめに、やすがっぱは自分のマウンテンバイクで、

まゆがっぱはレンタルの電動自転車で探検開始した。

まゆがっぱは、じつは電動自転車に乗ってみるのは2回目。

後ろからやすがっぱが来なくて、ルンルンよりも不安が大きくなって、

きた坂道を戻り始めた。

まゆがっぱは戻るうち、こんなに距離が開いてるのはおかしい・・

と思い始めてた。と、その時、やすがっぱがロードバイクではなくて、

歩いて坂道をのぼってきた。ロードバイクがガタボコ道で、

走り始めてすぐにパンクしちゃったんだって・・・

 

ロードバイクをそこへ置き、歩いてきたから時間がかかったんだね。

そこからは、やすがっぱと電動自転車の二人乗り。

急坂はさすがに電動自転車でも、前に進めなかったけど、

そんな時はまゆがっぱが自転車で、やすがっぱは走ったりしながら、

アクシデントなんか気にせず、「2411」を楽しんでた。

さすがに、林道がどこまで進んだかの確認はできなかったけど、

眺めの良いひらけたところで、

塩むすびや卵焼きややきそばやたこ焼きをほおばり、

腹ごしらえとやえがっぱはお昼寝までも楽しんだよっ。

 

帰り道は一気に2人乗りでジェットコースターみたいだったね・・

ガタボのとこでは、まゆがっぱがお尻が痛いと絶叫・・

ガタンとなる時は教えろとか、前がやすがっぱの背中で見えないから

まがる時は教えろとか随分、偉そうにしてた・・・らしいよねぁ・・

そんな時、やすがっぱがリュックをクッションみたく

お尻の下にひいてみたら・・とやってみたら大正解。

まゆがっぱのお尻も元気になった。

今度は電動自転車2台と僕ら5がっぱは沢をつたって、

林道の進み具合を確認しに皆で行くんだ!楽しみだね。

 

4.伊勢海老釣り 編

 

ある年のお盆、やすがっぱとまゆかっぱは

海沿いのやすがっぱのお母さんのお墓にお参りに出かけた。

僕たち5がっぱは、海が楽しみでワクワク!いつものお出かけのときに

手渡される500円玉をそれぞれ握りしめて、

2人とは別に川を下り、海に向かって出発した。

海にたどり着いて、僕たち5がっぱは、500円玉で、

遊覧船に乗ったり、イカの丸焼きをほおばったりして大満足。

いつも500円玉は、あっという間になくなっていくから、

値上げ交渉中なんだけどね・・

なかなかまゆがっぱが手ごわい・・・んだなぁ。

 

お墓参りを終えたやす&まゆがっパを見つけたんだけど、

海沿いの町で、なんか大騒ぎしている・・・

近くに行ってみると、

まゆがっぱは、伊勢海老釣りに挑戦していた。

ホントなら1匹しか釣ってはいけないらしいんだけど・・・

まゆがっぱはどうしてもやすがっぱと一緒に伊勢海老を

食べたかったんだろうなぁ・・

1匹釣った後、まゆがっぱは、その釣った伊勢海老を

やすがっぱに即座に手渡し、釣り糸を手で補強しなおして

(まゆがっぱのここが抜け目ない凄さ・・・

と僕たち5がっぱは確信しているんだぁ)

そして、まゆがっぱは執念で2匹目もGet。

まゆがっぱはすっごく嬉しかったんだろうな・・・

やりきった感満載のドヤ顔でさ・・僕ら5がっぱもそうだけど、

それを見たやすがっぱも苦笑してたよ・・・

 

なんで・・・そんなに・・と知らない人達は思うだろうけど・・

僕らにはわかるんだぁ・・・

まゆがっぱは1匹だと海老大好きなまゆがっぱに食べろって、

やすがっぱはきっと食べないから・・・

どうしてもやすがっぱの分を釣りたかったんだって・・・。

嬉しいことやおいしいものは一人じぁなくて、一緒がもっと嬉しいし、

もっと楽しいし、もっおいしいんだって、僕らにいつも言ってる・・・

たぶん、やすがっぱも同じ思い、

楽しいこと・おいしいものはまず大事な人にって・・・

だから一緒に食べることができるように2匹だったんだ・・・

と僕らは思ってる・・・まゆがっぱってそういう人なんだよ。

 

5.酸っぱいプラムの想いで 編

 

今日も富士山をめざして、やすがっぱとまゆがっぱの休日が始まった。

まずは食料の調達・・・だ。

2人とも好きな物をどんどん買い物かごに放り込む。

僕ら5がっぱも隙をみて、おいしそうな物を見つけては、

そっと買い物かごに投げ込む・・・

なんて言ったって、500円玉だけでは、おこずかい不足だからねっ・・・

 

僕ら5がっぱとまゆがっぱはやすがっぱより一足先に、

果物・野菜コーナーを回り、お肉コーナーへ進んだ。

果物コーナーには、やすがっぱが好きそうなプラムが並んでいたけど、

「やわらかくって、酸っぱくなさそうだから・・」って、絶対言うだろうから、

やめとこうねって、僕ら5がっぱに言いながら、

自分と僕ら5がっぱの大好きな焼き芋だけは

しっかり買い物かごに投入して、お肉を物色。

そこへやすがっぱが追いついてきて、

見ると、プラムのはいった袋をぶら下げている。

プラム売り場で一番青くて酸っぱそうなのを持ってきた

・・と嬉しそうに言ってた。

それを見たまゆがっぱは何か嬉しそうにしてたんだ・・・。

やすがっぱがプラムを好きになったのは、

長瀞の自転車旅だったなぁ・・・と思い出を回想してたみたい・・・

 

僕ら5がっぱがやすがっぱとまゆがっぱに出会った頃、

2人は、自転車ツーリングにはまっていた。

だから、僕ら5がっぱは釜トンネルを

必死に自転車で越えてきた2と出会えたんだけどね

 

2人は、やすがっぱのツーリングが好きな友達に誘われて、

長瀞に出かけた。

絶好のツーリング日和???お日様が川岸の遊歩道をこれでもか・・

という位に照らし、流れる川の水は眩しいくらいに

キラキラ輝いていた。

やすがっぱとやすがっぱのお友達とまゆがっぱは、

荒川沿いの土手をどんどこどんどこ進む。

3人を見ながら、僕ら5がっぱは川をスイスイ進む。

そして、3人は川から遠ざかり、国道をさらに炎天下の中、

長瀞を目指して進んでいった。

ここで、3人と僕ら5がっぱはゴールの長瀞まで、

別れてすすむことになったんだけど、

この後、まゆがっぱに悲劇が襲ったらしい・・・

強い日差しを遮るものがない国道。

やすがっぱは、まゆがっぱの自転車をこぐ音が

気にかかり始めていた。

シャカシャカシャーというやる気のなさそうな自転車の漕ぎ方・・・

しっかり漕いでると、シャカシャカ・シャカシャカがつづくはずだから。

でも、シャカシャカ漕いでは、シャーで休んでいる・・・

「何で、へそまげているんだろう・・?」って、思ってたらしい。

そんな漕ぎ方だから、やすがっぱとお友達、とまゆがっぱとの距離は

どんどん拡がり、離れていった。

まゆがっぱは、その時、直射日光を後頭部に浴びて、

日射病になってたようで、頭がガンガンと痛んでたみたい・・・

とうとう、見つけたコンビニで止まり、飲み物を買って、

薬を飲んで休みをとった。

よほど、つらかったんだろうな・・・まゆがっぱが休憩をとるなんてさ。

(いつもなら、へこたれるような奴でないはず・・・なんだ)

 

追伸1

まゆがっぱってさぁ、その頃、週5でオフィスガールして、

土日と週1回、その頃大流行してたエアロビクスを教える

インストラクターもやってたんだ・・・

さらに、まゆがっぱのお父さんがまだ元気してたから、

清瀬のお父さんのとこへ毎週通って、

掃除したり、ご飯を作ってたりと、超超大忙しの毎日を送ってた。

ホントの休みなんて、お正月とGWとお盆

くらいしかなかったんじぁないかな。

それでも、それを楽しんで、楽しみつくして、大事に過ごしてた。

その位、へこたれない奴、進むべし、一直線。

(まるで、いの君。だから、いの君にお友達感覚えるんじぁないかな?)

 

「疲れないの?」って、僕ら5がっぱが聞くたび、こう答えるんだ。

やすがっぱと過ごす時間・僕ら5がっぱとの時間があるから、

何でも頑張ちゃうって・・・

そのくらいやすがっぱと僕ら5がっぱが

大好きで大事なんだって。。。

500円からお小遣いを値上げしてくれないまゆがっぱだけど、

僕ら5がっぱもそんなまゆがっぱが大好きなんだ。

 

追伸2

そして、大抵のことではへこたれないまゆがっぱは、

もうひとつ笑っちゃうほどの負けず嫌い。

ぼくら5がっぱと出会う前らしい・・・

やすがっぱから教えてもらったんだけどね・・・

こんなエピソードがあるんだって。。。

身体を動かすいろんなことをやってみたくて、

まゆがっぱは、やすがっぱを誘って、ラフティングとパラグライダー

ツアーに群馬に出かけた時のこと。

ラフティングなら、僕ら5がっぱ、まゆがっぱややすがっぱと出会っていたら・・

一緒にキャイキャイ遊べたのに・・・残念だったなぁ・・・。

川で水しぶきを浴びて、エキサイティングでスリリングな体験だったらしい・・・

そして、午後、今度は空を満喫するワクワク感いっぱいで、

やすがっぱとまゆがっぱはパラグライダーに挑戦したらしいのだが、

ここで、やすがっぱに悲劇が訪れた。

やすがっぱは何でも起用にそつなくこなすことができる、

いわゆるスマートな大人って感じなんだけど、

まゆがっぱは、超ドン臭い・運動神経0なやつだから、

(インストラクターだって、多分、人より何倍も何倍も練習したり、

レーニングしたりして、やり遂げた努力の賜物

なんだと僕ら5がっぱは確信している)

やすがっぱのようにパラグライダーをうまく空に舞いあがらせる

ことができなかったんだって・・・

やすがっぱは数回の練習で、小山の上から、

パラグライダーで空に羽ばたいていった・・・気持ちいいだろうなぁ・・・

まゆがっぱは下から、「いいなぁ。気持ち良さそうだなぁ.」と眺めてたけど、

これだけではおさまらないのがまゆがっぱだよねぇ。

何としても飛ぶ、絶対飛んでやると、ここで、あきらめてはならぬ・・・と鼻息荒く、

何度も、ホントに何度もパラを広げては走り、

広げては走り、寡黙に繰り返したらしい。

結局、見かねた指導員の人がやすがっぱが飛んだ小山ではなく、

その小山の下の丘から飛ばせてくれたんだって・・・

ちょっとだけど、これでまゆがっぱも空を感じることができたらしい。

きちんと風をとらえて空を舞うには無理があったんだろうけど、

その思いの強さに指導員の人が負けたんだと僕ら5がっぱは推測してる・・・

2種目の体験を終えたやすがっぱとまゆががっぱ。

ぼくら5がっぱが知る限り、いつもならやすがっぱとまゆがっぱは、

ここがこうで、ああで、と楽しそうにおしゃべりタイムを過ごすんだけど、

その時のまゆがっぱは、一言もしゃべらなかったらしい・・・

パラグライダーでやすがっぱと同じように

小山から飛べなかったことが悔しくて、ムクれていたんだって。

「何故、怒ってるんだろう」、その時のやすがっぱは、

まだまゆがっぱの恐るべし負けず嫌いをそこまで把握できていなくて、

困惑するばかりだったんだって。

でもね、僕ら5がっぱは思うんだ・・・

まゆがっぱのムクれは、やすがっぱに対しての悔しさっていうより、

飛べなかった自分に対しての悔しさ何だと。

そして、帰り道の途中で見つけた畑の真っ赤なミニトマトをGET

できたことで、そのご機嫌斜めは見事に解消されたんだって・・

ふふふっ。

なんたって、まゆがっぱはアメーバ細胞だからね。

かわいいとこもあるでしょ・・・大目にみてやってよ。。。

でも、大変だったね、やすがっぱ!

その苦悩、僕ら5がっぱもよくわかる・・・よ。

 

(話は沢山、間にはさまってしまったけど、)

休憩をとっていたまゆがっぱのところへ、

友達に先に行ってもらい、宿泊先で落ち合うことにしたやすがっぱが、

戻ってきてくれたんだ。

初めは「どうしたの・・」って、ちょっと怒り気味だったやすがっぱだったけど、

日射病で頭痛がひどかったことを知ると、何で言わなかったの・・・と、

やすがっぱの怒りは心配に変わったんだったよね・・・

まゆがっぱはあの時、一緒には進めなさそうだから、

一人でさがしながら長瀞を目指そう、

少し休んで、薬が効いてきてから、行こうとしてた・・・

心細いとか・・一人でも行けるかな・・とか・・・

やすがっぱとお友達に申し訳ないな・・・とか・・・

いろんな不安を抱えていたと僕ら5がっぱは思うんだ。

そんな時、やすがっぱが戻ってきてくれて・・・

やっぱり、やすがっぱはまゆがっぱと僕ら5がっぱのヒーローだよ!

きっと、一番心強く嬉しかったのはまゆがっぱだろうけどさっ。

無事に2人で長瀞に到着できて、良かったよ。。。

翌日、長瀞からの帰り道は昨日とうってかわって、雨にたたられた。

お友達と別れてから、2人はシャカシャカ、雨の中、シャー休みなしで、

帰り道を飛ばしてた。喉も渇いてきた、

そんな時、見つけたのが道端のプラムの自動販売機。

自販機の前で確か、おかわりもして、2人でプラムにかじりついてた。

思い出の酸っぱいプラムなんだよね・・・

 

今日のプラムも、やすがっぱの見立てで、すっ酸っぱい~!

でも、ジューシーでおいしい!

だけど、僕ら5がっぱは甘くてホクホクの焼き芋がいいなぁ・・・。

 

おわり